再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「ねぇ、哲平。この人は誰?」

「お前に関係ないだろ。タクシー待たせてるんだから、さっさと帰れ」

苛立ったように言い放つと、テツは女性の手を振り払って靴を脱いだ。

「関係ないってなによ」

「……言葉の通りだよ。それより夜中なんだから、声のボリュームを抑えろ。近所迷惑だ」

低く冷たい声だった。
テツのこんな声、初めて聞いた。

「迷惑って……今日は帰るけど、今度説明してもらうから」

納得していない顔のまま、女性はそう言い残して玄関を出て行った。

あの人はいったい誰なんだろう。
頭の中に疑問が残る。
会話から仕事関係の人だとは思うけど、テツのことを呼び捨てにしていたのが引っかかった。
ただの仕事相手の距離感ではないような気がして、胸がざわつく。

そのとき、ガタッと鈍い音がした。
振り向くと、テツが壁にもたれかかるようにしゃがみ込んでいた。

「ちょっと、大丈夫?」

慌てて駆け寄り、体を支えると、想像以上に重い。

「……悪い」

掠れた声が耳に届く。
ふらつく体を支えながら、どうにか寝室までたどり着く。
あと少しというところで足がもつれ、そのまま二人でベッドに倒れ込んだ。
フローリングじゃなくてよかったという、一瞬どうでもいい安堵が生まれた。

ハッとして体を起こし、ベッドから降りる。
乱れた髪を手ぐしで整えながら、ワイシャツにスラックス姿のまま仰向けに横たわるテツを見た。
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