再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「本当ですか? 私の方こそ、安子さんには元気をもらっていました」

自然と笑顔になる。
店に来るたびに、旅行の話を楽しそうに聞かせてくれたことを思い出す。

「安子さんは神社やお寺巡りが好きで、よく旅行のお話を聞かせてくださっていたんです」

「神社やお寺……」

上村社長はその言葉を繰り返し、目を細めたまま考え込んだ。
余計なことでも言ってしまったんだろうかと、不安がよぎる。

「そうか……足りなかったのは、これだったのか」

上村社長がポツリと呟く。

「水上副社長、先ほどの案に和の要素を取り入れてもらえますか?」

「なるほど、和ですか」

副社長はすぐにメモを取りながら頷く。

「現代的でスタイリッシュなデザインも魅力的ですが、そこに和のテイストを加えた案も見てみたいです」

「承知しました。洋風をベースに和の要素も取り入れたデザインに再構成してみます」

「お願いします」

副社長と上村社長は真剣な表情で話を進めていく。
私は話の流れについていけず、二人のやり取りを見守っていた。

「美桜さん、あなたの一言でいい方向へ進みそうです。ね、水上副社長」

上村社長が穏やかに微笑み、副社長へ視線を向けた。

「はい。とてもいい発想のきっかけになりましたね」

副社長が笑顔で頷いた。


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