再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「はぁ? なにそれ。どうしてそんな話になるのよ。テツが副社長のことを邪険にしているように見えたから、聞いただけだよ」
どうして、私が副社長のことを気になってるという発想になるんだろう。
「それならいいけど。昔から海里にからかわれて、何度嫌な思いをしたか分からない。アイツ、外面はいいけど性格はひねくれてるからな」
窓の外を見ながら、テツはため息をつく。
「お調子者を装って、実は腹黒で策士なところがあるから、仕事以外ではできるだけ関わりたくないんだよ。アイツになにか言われても、絶対に気にするなよ。ろくなことしか言わないんだから」
不機嫌そうに言う。
外面がいい、という言葉は聞き覚えがあった。
確か、社長もテツに対して同じようなことを言っていたはずだ。
テツと副社長、似ているところがあるのかもしれないなと、ぼんやり思った。
テツは再び私の肩にもたれかかってきた。
タクシーという密室の中じゃ、逃げ場なんてない。
最近、二人きりになると、こんなふうに距離がやけに近い気がする。
肩越しにテツの体温を感じ、ドキドキしてしまう。
いつも私だけ翻弄されている気がするのが、少し癪に障る。
「美桜、うちの会社の雰囲気はどうだ?」
急に話題が変わり、戸惑いながらも職場の様子を思い浮かべる。