再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~

「いいと思うよ。みんな明るいし、社員同士も仲がいいよね。そんなにたくさんの人と話したわけじゃないけど、優しい人が多い印象かな」

私の答えを聞いたテツは「そうか」と呟いた。
少し間をおいてから、話を続ける。

「基本、いい人ばかりだけど、馴れ馴れしく声をかけてくる男がいたら気をつけろよ。下心があるかもしれないし。もし、そんなやつがいたら俺に言え」

「下心って……そんな人なんていないよ」

呆れてそう返すと、テツはまったく納得していない様子で、じっと私を見る。

「そんなの分からないだろ。俺が美桜のことを好きなの、知ってるよな」

どくんと、心臓が大きく跳ねた。

「もし、俺以外のやつがお前を口説こうとしたら、ちゃんと教えろよ」

テツは真剣な表情で言った。
一気に顔が熱くなるのが分かって、思わず視線をそらす。

「そんな可愛い顔するなよ。調子狂うだろ」

テツがふっと口角を上げる。

「なぁ、少しは俺のこと意識してくれてるの?」

耳元で囁くように言われ、その声に体が強張った。
からかいのはずなのに、どこか甘さを含んでいる。

否定したいのに、上手く言葉が出てこない。

気がつくと、テツの姿を目で追っていた。
彼の何気ない一言に振り回され、心が揺れてしまう。

< 151 / 245 >

この作品をシェア

pagetop