再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
玄関の鍵を開けて部屋に入ると、リビングに美桜の姿はなかった。
しんと静まり返った空間に首を傾げ、そのまま洗面所へ向かい、何気なくドアを開けた。
「わっ、テツ帰ってたの?」
中にいた美桜は下着姿だった。
「……っ」
ほんの数秒、思考が停止する。
反射的に視線をそらし、動揺を隠すように小さく息を吐く。
洗面台の前に立ち、手を洗いながら口を開いた。
「ただいま。今から風呂?」
平静を装って尋ねると、美桜は慌てて脱いだ服を胸元に当てた。
「そ、うだけど……」
「じゃあ、早く脱いだら?」
「テツがいるから脱げないんだよ」
真っ赤な顔で睨んでくる。
その反応が可愛くて、自然と頬が緩む。
「あー、俺も風呂に入ろうかな」
「えっ、なんで?」
「そりゃ、二人で入った方が効率がいいだろ」
冗談半分で言いながら、ネクタイを外す。
ワイシャツのボタンに手をかけると、美桜がさらに焦り出す。
「ちょ、ちょっと本気?」
「……冗談だよ。少しからかっただけ。ゆっくり風呂入れよ」
笑いながら肩をすくめ、洗面所のドアを閉めた。
一瞬、本気で風呂に入ろうかと思ったけど、冗談にして誤魔化した。