再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~

「……俺だから好きになってくれたんだろ。しかも俺が無一文で、不細工でも気持ちは変わらないって」

その言葉に息をのむ。

――やっぱり。

ほとんど全部、会話を聞いてるじゃない。
私が堂島さんに言った言葉を思い出し、恥ずかしさが一気に押し寄せ、顔が熱くなる。
テツは私の耳元に顔を寄せ、甘く囁いた。

「男前すぎて、惚れ直した」

その瞬間、胸がうるさいぐらい高鳴った。
顔を上げると、テツは満面の笑みを浮かべている。
その顔を見ているうちに、はっと我に返った。

待って!
ここ、事務所近くの歩道だった。
周囲を見ると人々が行き交い、チラチラとこちらに視線を向けながら、私たちの横を通り過ぎていく。

こんなところを社員の人に見られでもしたら、恥ずかしすぎる。
私は慌ててテツの胸を軽く押し、少しだけ距離を取った。

「ま、まだ仕事残ってるんでしょ。私、先に帰ってご飯作っておくから。なにが食べたい?」

早口で無理やり話題を変えると、テツは少し不満そうに眉を寄せた。

「……パスタが食べたい」

少しだけ拗ねた声に、思わず笑いそうになる。

「了解。帰る時間をまた教えてね。麺を茹でる時間を調整するから」

「分かった。バス停まで送ろうか?」

その心配性なところに、頬が緩む。

「ううん、すぐそこだから大丈夫。じゃあ、仕事頑張ってね」

軽く手を振り、私はバス停へ向かって歩き出した。

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