再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「俺も男の容姿や肩書きしか興味ない女はこっちから願い下げ。二度と俺と美桜の前に姿を見せるな。不愉快だ」
テツが低く鋭い声で告げると、堂島さんは言葉をなくし、逃げるようにその場をあとにした。
ヒールの音が遠ざかっていき、張り詰めていた空気が少しだけ和らいだ気がする。
それにしても、嵐のような人だったな。
あそこまではっきりと言われたんだから、もう二度と堂島さんは私たちの前には現れないだろう。
「美桜、大丈夫か?」
さっきまで堂島さんに向けていた険しい表情は消え、心配そうに私を見つめるテツがそこにいた。
「うん。大丈夫。助けてくれてありがとう」
素直にお礼を言えば、テツは肩をすくめる。
「いや、助けたってほどじゃないけど……。それより、堂島が職場まで押しかけてくるとは思わなかった。ごめんな」
「なんでテツが謝るの? あの人が勝手に来ただけで、テツは関係ないんだから気にしないでよ」
軽い調子で言うと、テツは少し困ったように苦笑いする。
「まあそうだけど……。事務所に戻ってきたら、美桜と堂島が話してるのが見えて、マジで焦った」
そう言った瞬間、テツは人目もはばからず私を抱きしめてきて、ふわりと彼の匂いに包まれる。
「何事もなくて本当によかったよ。俺が間に入ろうと思っていたのに、美桜はめちゃくちゃかっこいいし、出る幕なかったわ」
テツはふっと楽しそうに笑って、私と視線を合わせてきた。