再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
今日は立食形式のパーティーらしく、会場の一角にはビュッフェ台が設けられ、さまざまな料理が並んでいた。

華やかな会場の雰囲気に包まれているだけで『海鳴建設』という会社が、どれほど大きな存在なのかを実感させられる。

周囲を見回してみたけど、肝心のテツが見当たらない。
彼は一足先に会場へ入り、打ち合わせを終えたあとに挨拶回りをすると言っていた。

最初は挨拶や堅い話が続くだろうからと、テツが気を遣ってくれ、私は少し遅れて参加することになったんだ。
会場に来たものの、テツがいないので彼のご両親に挨拶へ行くこともできない。
知っている人がいない中、ひとりでなにをすればいいのか分からない。
落ち着かない気持ちで会場内を眺めていた、そのとき。
ふと視線を向けた先に、離れた場所にいても一際目を引く男性の姿があった。

――テツだ。

彼は大勢の人に囲まれ、その輪の中心にいた。
次期後継者でもあるから、注目を浴びるのは当然だろう。

普段とは違う、光沢のあるスーツを身にまとっていて、髪もいつもの緩いパーマではなく、ワックスで綺麗に整えられている。
その姿は、洗練された大人の男性そのものだ。

遠くから眺めているだけで、胸が高鳴った。
きっと、いつもとは違うテツの姿だからだろう。

彼の周りには年配の男性や、華やかなドレスを着た女性たちが集まっている。
その中でも、鮮やかな口紅が印象的な女性が目についた。

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