再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
黒のロングドレスは長身の彼女によく似合っていて、どこか妖艶な雰囲気が漂っている。

ふと、堂島さんが言っていた『平凡で地味な人とは釣り合わない』という言葉を思い出してしまった。
でも、今日は綺麗にメイクをしてもらっているから、地味顔ではないと思う。

少しぐらいは、テツの隣りに立っても恥ずかしくないはず、そう自分に言い聞かせていたとき。
女性がなにか話しながら、甘えるようにテツの腕に絡みついた。

それを見た瞬間、胸の奥がざわついた。
見たくないのに、目がそらせない。

すると、テツが絡められていた手を振りほどき、彼女と距離を取る。
その姿に張り詰めていたものがふっと緩み、私は安堵の息を吐いた。

些細なことで焼きもちを焼いている自分が嫌になる。
気持ちを切り替えようと、料理に視線を向けた。

ビュッフェ台には、見た目も華やかな料理が並んでいる。
どれも美味しそうで、迷ってしまう。
目に留まった肉寿司を皿に取る。
ローストビーフと野菜サラダも少し添えて、見た目を整えた。

会場の隅に移動し、肉寿司を口に運んだ。
んっ、美味しい。
それからゆっくりと料理を食べ進め、気づけば皿の上のものはすべてなくなっていた。
次はなにを食べようかなんて、ぼんやり考えていたときだった。

「美桜ちゃん?」

不意に名前を呼ばれ、反射的に顔を上げた。
視線の先には上品な着物姿の女性が立っている。
柔らかな笑みを浮かべたその人を見て、昔の記憶が一気に蘇った。
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