再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~

「いえ、テツから謝ってもらったので、そのことはもう気にしてません」

私は慌てて首を横に振った。
テツママも気にかけてくれていたんだと思うと、逆に申し訳ない気持ちになる。
あれは、子ども同士の喧嘩というより、一方的に私が傷ついてしまった出来事だ。

「卒業式のあと、家に帰ってきた哲平の落ち込みようは本当に凄かったのよ。その日はご飯もいらないとか言って」

「そうだったんですか?」

思わず目を丸くした。

卒業式の日のことは、今でも覚えている。
私はテツの言葉に傷ついて、ずっと引きずっていた。
でも、あの日に彼も落ち込んでいたという話を聞いて、正直驚いた。

「ええ。様子がおかしかったから、無理やり哲平に話を聞いたのよ。変な意地を張らずに、素直に『可愛い』って言えばよかったのにね」

ふふ、とテツママは懐かしそうに笑う。

「美桜ちゃんに謝りたいくせに、頑なに引っ越し先さえ聞いてこなかったの。なにか言いたげに私を見るんだけど、肝心なことは全く口にしないのよ。本当に意地っ張りな子で、私の方がヤキモキしたわ」

幼かったテツの不器用な姿を思い浮かべ、胸がいっぱいになる。

「哲平がなにも言わないから、私も美桜ちゃんのことは言えなくてね。聞かれてもいないのに、勝手に話すのも違う気がしたの」

そう言って、苦笑いを浮かべた。


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