再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
テツの家を出ることを考えると、素直に喜べない自分がいる。
彼と過ごす毎日は、いつの間にか私にとって大切なものになっていた。
一緒にご飯を食べて、他愛のない話をして笑い合う。
そんな当たり前の日常が終わると思っただけで、胸の奥がギュッと締めつけられた。
「……そうだね。私がテツの家に居させてもらう理由はなくなった……よね」
胸が痛み、自分でも驚くほど弱々しい声が漏れる。
その瞬間、テツの顔から笑みが消えた。
「理由がないって、どういうことだよ」
低くなった声に、体がビクッと震えた。
「だって、ストーカーのことがあったから一緒に住むことになったでしょ。それが解決したってことは、同居は解消するんじゃないの?」
視線を落としたまま話すと、テツは呆れたように息を吐いた。
「なに言ってるんだ。俺たちは恋人同士だから、離れる必要なんてないだろ」
顔を上げると、テツの真っ直ぐな視線とぶつかった。
「それに、結婚しようって言っただろ。俺はこれからもずっと、美桜と一緒にいたいと思ってる」
迷いのない言葉に、胸の奥が熱くなる。
そういえば、『初めてをもらったから責任を取る』なんて言っていたことを思い出す。
「親にも婚約者だって紹介してるんだからな。今さら無理とか言われたら、さすがにショックで寝込むぞ」
わざとらしく肩を落とす姿を見て、思わず笑ってしまった。