再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「メンチカツ弁当、六百円です」

ビニール袋に弁当を入れていると、男性がおかしなことを聞いてきた。

「最近、配達が多いんですか?」

「……そうですね。ありがたいことに配達も増えているので」

戸惑いながら答える。

「なるほど、そうでしたか。突然話しかけてすみません。あなたがいつもレジに立っていたのに、最近いない日が多いから気になってたんです」

えっ、どういうこと?
思わず首を傾げる。

「それで、お店の人に聞いたら配達に行ってると言われて」

さっきから、この人の話している内容に若干の違和感を覚えた。

きっちりとセットされた黒髪、スクエアフレームの眼鏡の奥の瞳が私を見つめる。
パッと見は、身なりの整った真面目そうなイケメンだ。
まぁ、私の周りでイケメンの筆頭と言えば……ってどうしてテツのことを思い出しているのよ。

いきなり脳内に、テツの自信満々に笑う顔が浮かんだ自分に動揺してしまう。
今までだったら、そんなことは微塵も考えなかったと思う。
絶対にテツと再会したせいだ。

私はあの夜のことを、断片的にだけど思い出していた。
テツの熱を孕んだ瞳。
柔らかな唇の感触に、私の肌を愛撫する大きな手のひら。
すべてにおいて翻弄されっぱなしだった――。

目の前にお客さんがいるのになにを考えているんだ、私は。
不埒な思考を振り払うように深呼吸した。
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