再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「ここの弁当や惣菜は美味しいから、毎日でも食べたくなるんですよね」

男性は笑いながら言う。

「この前、弁当と一緒に買った明太子入りの玉子焼きを食べたんですけど、すごく美味しかったです」

「本当ですか? ありがとうございます。そう言っていただけてすごく嬉しいです」

自分が考えたメニューを褒められ、さっきまで引っかかっていた違和感が薄れ、思わず笑みがこぼれる。
私の様子を見た男性が、フッと口元を緩めた。

「そんなふうに笑うんですね。あなたの笑顔を見ることができて、得した気分だ」

その言葉に胸がざわついた。

「この弁当を食べて、昼からも仕事が頑張れそうです」

笑顔で話す男性に、お釣りを渡した瞬間、指先が触れた気がした。
いや、正確には触れたというより、なぞられたような感触があった。
思わず彼を見ると、何事もなかったように微笑んでいる。
やっぱり、気のせいだったのかな。

気持ちを切り替え、弁当の入った袋を差し出しながら、口を開く。

「お仕事、頑張ってくださいね」

「ありがとう」

男性は目を細めて笑い、店をあとにした。

お客さんの生の声を聞けるのは、今後のメニュー考案の参考にもなる。

この店の弁当や惣菜を食べて笑顔になってもらいたいし、美味しいと言われるのは心から嬉しい。

だけど、さっき指先に触れた一瞬の感触や、何気ない男性の一言が妙に胸の奥に引っかかる。

それを打ち消すように、小さく首を横に振った。

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