再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「待ち伏せされているような気がして、怖くなったの」
私に向けられた笑顔を思い出しただけで身震いし、自分の腕を擦りながら言葉を続けた。
「それでおばさんに相談して……。あ、おばさんていうのは店長の奥さんで、私のお母さんの妹なんだけど。しばらく仕事を休んだらどうかって言われたの。でも、いつまでその人が来るか分からないし、休み続けるわけにもいかないから、辞めることにしたんだ」
「そうだったのか」
黙って話を聞いていたテツが、決意のこもった強い眼差しを向けてきた。
「美桜、俺の所へ来い」
「えっ、どういうこと?」
小さく首を傾げた。
「そのストーカー、勘違いとかじゃないと思う。もし、そいつが粘着質な男だったら、美桜の住んでいる場所を特定するかもしれない」
テツは確信をにじませるように淡々と話す。
「少し前から店に通ってたんだろ。通勤しているところを見られていたら、駅だって知られている可能性もある。美桜が辞めたことを知って、家まで押しかけてきたり、行く先々で遭遇したらどうする?」
想像しただけでゾッとした。
いくら店を辞めたからといって、斉藤さんと会わない保証はない。
きっと、明日も弁当を買いに来るだろう。
そのとき、私が辞めたことを聞いてどう思うのか。
なにもなければいいに越したことはない。
でも、行動がエスカレートしたらーー。