再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
本当は、あんなことを言うつもりはなかった。
可愛いって言いたかったし、俺だって一緒に写真を撮りたかった。
俺の身勝手な言動で美桜を傷付けてしまった。
後悔が一気に押し寄せる。
周りの奴らも冷ややかな視線を向けてきた。
『ちょっと鳴海! なんてことを美桜に言うのよ。あんたマジで最低!』
村山が怒りに満ちた目で俺を睨む。
そんなこと、自分が一番よく分かっている。
『いくら幼なじみでも、言っていいことと悪いことがあるでしょ! 二度と美桜に話しかけないで!』
そう言い捨てて、村山は美桜のあとを追いかけていった。
周りを見ると、野次馬たちはあからさまに視線をそらす。
俺は足元に落ちていたピンを拾うと、その場をあとにした。
人生最悪の卒業式。
なにもかもうまくいかず、唇を噛みしめた。
『哲平、なにやってんだよ』
校門を出て、ひとり歩いていたら背後から声をかけられた。
俺の友達、長瀬貴臣だ。
言われなくても、俺が悪いのは分かっている。
『バカだな、落ち込むぐらいなら最初からあんなことを言うなって。早く謝って仲直りしろよ』
俺は黙って頷き、貴臣と並んで歩いて家に帰った。
――謝ろう。
そう思っていたはずなのに、気づけばそのまま中学生になっていた。