再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「俺の?」

「うん。いらなかったら別にいいんだけど」

「マジで? 作ってくれるなら助かる」

テツは少し目を細め、嬉しそうに笑う。
その表情を見て、胸が小さく跳ねる。

「美桜の弁当、楽しみにしてる」

そう言って、彼は卵焼きを頬張った。

こんな会話がテツとできるなんて、少し前までは想像もしていなかった。
昔に戻れたような気持ちになる。
そのあとも、他愛のない話をしながらご飯を食べ進めた。

「ごちそう様」

すべて食べ終えたテツは、椅子を引いて立ち上がる。
食器を持ってシンクに向かう後ろ姿を見て、声をかけた。

「お皿とか置いといてくれていいよ。私が洗うから」

「あー、今日は自分で洗うわ。別に家事を押し付けるつもりはないし、俺もできることはやるよ。今までもやってきてるから」

当たり前みたいに言うその声に、胸の奥がじんわりとあたたかくなる。
こういうことをサラッと言えるのは、本当にすごいと思う。

「ありがとう」

水の音が聞こえ始め、食器を洗っているテツの背中をぼんやりと見つめる。
いい旦那さんになりそうだな……。
そんな言葉が頭をよぎった瞬間、ハッとした。
なにを考えているんだろうと、慌てて首を横に振る。

小さく咳払いし、食べ終わった食器を手に持ちシンクに向かう。

「そこ、置いといて。ついでに洗うから」

テツが指差しながら声をかける。

「自分のは洗うよ」

「いいから、俺に任せといて。美桜は食後のコーヒーでも淹れてよ」

笑いながら言われ、私は小さく頷いた。
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