再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
職場の雰囲気もあるだろうから、あまり浮いた格好はしたくない。
新しい環境で働くなら、見た目ぐらいはきちんとしたかった。

「確かにそうだよな。じゃあ、行くか」

そう言うなり、テツは私の手を握って歩き出した。

「ちょっと、手!」

「手を繋ぐぐらいいいだろ。減るもんじゃないんだから」

相変わらず強引だ。
振りほどこうとするのは簡単だけど、繋がれた手の温もりに離すタイミングを失ってしまう。
しかも、嬉しそうに笑っている顔を見たら、そのままでもいいかという気持ちになる。
ホント、ずるいんだから。
結局、手を繋いだままモール内を歩くことになった。

お目当ての買い物を終える頃には、私はぐったりとしていた。
今日、寄ったショップには当分は来れないだろう。
その原因は、もちろんテツだ。

最初に入ったショップで何着か試着し、気に入ったスーツを決めてレジに向かったときのことだった。

『俺が払う』

突然、テツが言い出した。
それを拒否すると、『いや、俺が』と言って引かない。

レジ前で何度も『自分で払う』『俺が払う』と繰り返し、店員は苦笑いしているし、後ろにも他のお客さんが並び始める。
さすがにまずいと思い、テツにそこまでしてもらう必要はないと訴えた。

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