無難に生きたいのに、全力すぎる彼が構ってきます
すかさず母、梢が口を挟む。
「前に天音も言ってたでしょう。仕事も安定してきたし、いいご縁があればって」
結婚の話題になったときに、たしかにそう言ったことはある。
お見合い結婚をした両親のように、いつかは自分と似たようなタイプの人とお見合いをして、ごく普通のどこにでもある家庭を築くんだろうと考えていた。両親がそう望んでいるのも、自分にはそれが合っているのもわかっていたから。
それなのに、なぜだろう。素直に乗り気になれない。
正信は少し姿勢を正して続ける。
「実はな、父さんの部下に天音にぴったりの男がいるんだ」
胸の奥が、わずかに冷える感じがした。
「年齢が近くて、真面目で評判もいい。仕事も堅実だ」
「……お見合いってこと?」
確認するように口にすると、梢がうれしそうに頷いた。
「堅苦しく考えないで、ふたりで食事するだけでもいいのよ。もうお互い大人なんだし。写真をちょっと見てみて」
梢がそう言うと、正信はテーブルに置いてあったスマートフォンを操作して天音に差し出した。
「前に天音も言ってたでしょう。仕事も安定してきたし、いいご縁があればって」
結婚の話題になったときに、たしかにそう言ったことはある。
お見合い結婚をした両親のように、いつかは自分と似たようなタイプの人とお見合いをして、ごく普通のどこにでもある家庭を築くんだろうと考えていた。両親がそう望んでいるのも、自分にはそれが合っているのもわかっていたから。
それなのに、なぜだろう。素直に乗り気になれない。
正信は少し姿勢を正して続ける。
「実はな、父さんの部下に天音にぴったりの男がいるんだ」
胸の奥が、わずかに冷える感じがした。
「年齢が近くて、真面目で評判もいい。仕事も堅実だ」
「……お見合いってこと?」
確認するように口にすると、梢がうれしそうに頷いた。
「堅苦しく考えないで、ふたりで食事するだけでもいいのよ。もうお互い大人なんだし。写真をちょっと見てみて」
梢がそう言うと、正信はテーブルに置いてあったスマートフォンを操作して天音に差し出した。