無難に生きたいのに、全力すぎる彼が構ってきます

 「総務、楽しいか?」

 唐突な問いに、一瞬だけ考える。

 「楽しいです」

 天音の顔が浮かんだのを、自分でもはっきり自覚した。

 「そりゃなにより」

 鈴川は深く追及しない。ただ、どこか察したような目で前を向いた。

 「まあ、春からは設計部だ。今は今で、ちゃんとやっとけ」
 「はい」

 そう返事をしながら、幹人は胸の奥で小さく息を吐いた。
 あと三カ月弱。短すぎる、と初めて思った。
 彼女のそばにいられる時間が思っていた以上に限られていることを、ようやく実感しながら。
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