無難に生きたいのに、全力すぎる彼が構ってきます
 「甘酒、久しぶり」
 「俺もです」

 ひと口飲んで、ほっと息を吐く。

 「……あったまる」
 「ですね」

 会話は途切れがちなのに、気まずくはない。むしろ、この静けさが心地いい。
 ふと視線を感じて顔を上げると、幹人がこちらを見ていた。
 慌てて目を逸らすと、彼はなにも言わずに笑うだけ。その笑顔が、なぜだかさっきより近く感じられて、天音は甘酒をもうひと口飲んで誤魔化すように息を吐いた。
 ただの初詣。そう言い聞かせながら、胸の奥に芽生えた予感から、まだ目を逸らしたままでいた。
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