国宝級イケメン御曹司はフェチの所為で恋愛できない
圭介は真っ白なフロックコートにブラウンシルバーのベストに同色のタイを結んでいた。

というか着せられていた。

窓から庭を見ながら数日前に会った二の腕美人の事を考えていた。

すると今日の花嫁役の女性だろう”失礼します“と言って部屋に入ってきた。

声が秘書の山野辺沙耶に似ているので秘書が確認しに来たのかもしれない。

ゆっくりと振り返って固まった。

数日前会員制バーであった彼女。

そして今彼女の素性を知るのにどうするべきか考えていたその彼女が、美しいウエデイングドレスに身を包んで圭介の前に立っていた。

沙耶は圭介の美しさに息をのんだ。

こんなに美しい人をカタログに使っていいのかと思いながら、熱のこもった眼で見つめられていた。

ありさが言っていた”あの目でじっと見つめられたら腰砕けになる“という言葉を実感していた。

“ああもうだめだ!完敗だ!副社長に魅入られてしまった”

その後の庭園での撮影はどうやって終わったのかは記憶にない。

ただ二人は熱く蕩けるような目でお互いを見つめ合っていただけだ。

圭介は美しい花嫁姿の沙耶を抱き寄せて離さない。

”二度と離してなるものか”そんな圭介の心の声が聞こえてきそうだ。

カメラマンがもう少し離れてと言う言葉も耳に入らないようだ。
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