AI暴走教室
弱々しい声を聞いて不安になるけれど、相談室のテーブルの上には沢山の鶴が置かれているのが見えた。
まだ折れていない折り紙はひとつもない。
「佳代すごいよ! 全部折ったんだね?」
「うん……。わたし、みんなの迷惑になりたくて……頑張ったよ」
微かに微笑んでそう言った佳代がそのまま目を閉じてしまう。
両腕にかかる重みが増して、良が慌てて駆け寄ってきた。
《これで長倉佳代さんは夢に近づきました》
AIが淡々とした声で告げる。
「一旦保健室へ運ぼう」
良の言葉に頷き、私たちは軽い佳代の体を抱き上げて歩き出したのだった。

☆☆☆

< 59 / 171 >

この作品をシェア

pagetop