僕の父親はコックリさん
 玄関からまっすぐ廊下が伸びていて、その右手に小さなキッチン。その奥が居間とダイニング兼用の部屋になっている。正雄の様子は玄関に入ってすぐに確認できた。
「よぉ、先に飲んでるぞ」
 洸平が缶ビールを右手にかかげてみせた。洸平はビールだけれど、正雄は焼酎を飲んでいるようだ。
「正雄は焼酎? 珍しいな」
 言いながら勝手に冷蔵庫を開けて買ってきた朝食用のおにぎりを片付けていく。冷蔵庫の中はほとんど油揚げで占領されていて、妖は思わず声をあげてしまいそうになった。
「最近焼酎のおいしさを知ったんだよ」
 正雄はグラスでなめるように焼酎を嗜んでいる。その姿はまるで人生に疲れた年配のようだ。
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