僕の父親はコックリさん
 気が付かれないようにそっと目を細めてふたりを確認してみても、もう黒いモヤは見えない。低級霊たちは本当に消えてしまったみたいだ。

「キツネうどん! 油揚げぬきで!」
 学食で元気よくそう注文する正雄にパートのおばちゃんが目を丸くしている。
「あんたどうしたの? 油揚げあんなに好きだったじゃないの」
「なに言ってんの。油揚げは俺の嫌いな食べ物ナンバーワンだって!」
 正雄が顔をしかめて言い返している。
 前から油揚げが苦手だった正雄は、キツネに取り憑かれるという一件があってから、更に油揚げを嫌悪するようになっていた。
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