僕の父親はコックリさん
 妖は意識して蝉の声に耳を傾ける。けれど都心にいたときから気にして聞いて言えるわけではないのでその違いはよくわからなかった。
「ダメだ。やっぱり見つけられない」
 木の下に佇んでしばらく蝉の姿を探していた洸平が諦めて歩き出した。
「きっと上の方にいるんだ」
 自分たちの肉眼では見ることのできない場所で、蝉は一生懸命鳴いている。たった一週間という命を頑張って生きている。
 ちらりと洸平の顔を見ると、それはいつもと変わらない洸平のものだった。本当に低級霊がついているんだろうか。
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