僕の父親はコックリさん
 香は『はい』に移動した十円玉をジッと見つめていた。
「こっくさんが来たんだよ。だから質問しないと」
 早口に言ったのは陽子だ。こっくりさんを呼び出しておいてなにも質問しないのは失礼に当たる。
「質問ってなにを……」
 香はそう言いかけて口を閉じた。病院で寿命を質問した子の話を思い出してしまったからだ。
「とにかくさ、明日のテスト問題でよくない?」
 陽子が本来の目的を思い出したようにそう言った。明日は数学の小テストがある。小テストといっても範囲が広くて、帰ってから猛勉強しなければならなかった。
「そ、そうだね。それでいこう!」
< 259 / 352 >

この作品をシェア

pagetop