僕の父親はコックリさん
 香は彼のことをなんとも思っていなかったけれど、こういう場所で笑いものにされるのだと思うと胸がチクリと痛くなった。
『な』
 次の言葉に『な』が続いて香は眉を寄せた。石岡の名前とは違うみたいだ。
「『いな』? 『いな』から始まる名前の男子っていたっけ?」 
 陽子も怪訝そうな表情を浮かべている。記憶をたどってみても『いな』から始まる男性生徒の名前はなかった気がする。
 そして最後の文字は『い』。
「『いない』……? 稲井?」
 陽子は無理に漢字を当てはめているけれど、香は左右に首を振った。
「好きな人はいないって、言ったよね?」
 こっくりさんはまさに正しい答えを導き出したということだ。
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