僕の父親はコックリさん
 十円玉を動かされる前に事実を伝える。どうせ陽子は好きでもない男子の名前を適当になぞるつもりなんだろう。
「さぁ、こっくりさん返事は!?」
 陽子の声を合図にするように十円玉が動き出す。香は諦めてそれを見つめた。
『い』
「い、から始まる人だって!」
 一文字目から陽子がきゃあきゃあ騒ぎ出す。
一体誰の名前を出すつもりだろう。香の脳裏には『い』から始まる名前の候補がいくつかあがった。その中で笑いが取れそうなのは石岡という背の小さな小太り系男子だ。メガネをかけていて常に下を向いて歩いているため、根暗だと陰口を叩かれている。
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