僕の父親はコックリさん
 香はおとなしい友人へと視線を向ける。友人はまだまだ緊張状態が解けていない様子で指先にまで力が入っているのがわかる。まさか、緊張しているのは自分が動かしているからだろうか。指先まで力が入っているということは、十円玉を動かすことだってできるだろう。
 それとも……?
 香は視線を友人から十円玉へ向ける。なにもないその空間に白い和服を来た金色の髪の毛を持つ男の姿が見えた気がして「あっ!」と声をあげた。
「どうしたの?」
 次の質問を考えていた陽子が首を傾げて聞いてくる。しかし目の前に見えたと思った男はすでに消えていて香は「なんでもない」と、消え入りそうな声で答えたのだった。

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