僕の父親はコックリさん
 なんでもないように言って志門はまた笑う。香は言葉を失って志門を見つめることしかできなかった。
 私のことを気に入ったから? 何言ってるのこの人。
「これから俺たち一緒に暮らそう」
「く、暮らす!?」
 香の声が裏返る。たった今出あったばかりで名前を知ったばかりで、しかもキツネとか言っている得体のしれない生き物と暮らすなんて考えられないことだった。
 なにより、香は別にこの男のことを気に入ってなんかいない。
「む、無理!」
 ぶんぶんと左右に首を振ってようやくそれだけ言った。今までの人生で男性から告白された経験はない。そのときにどう対応していいかもわからなかった。
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