僕の父親はコックリさん
 教室の時計へ視線を向けて叫ぶように言うとカバンをひっつかんで廊下へ飛び出した。帰らないといけないのは嘘じゃない。外は完全にオレンジ色に染まっていて、どこかの公園では夕焼け小焼けの音楽が聞こえてくる。
 そうだ。こんな時間のことを逢う魔ヶ時って呼ぶんだっけ。昼から夜へと向かう時間。この世とあの世をつなぐ時間。
「そんなに急いで帰ることないじゃん」
 階段を駆け下りようとした瞬間、その男が目の前に立ちはだかった。香は悲鳴を飲み込んで急ブレーキをかける。
 なんで!? さっきまで教室にいたはずなのに!
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