僕の父親はコックリさん
 更に追い打ちをかけたのは隣町にできた大きな寺の存在だった。由緒正しい場所から移転してきた寺で、元々有名だったことですぐに人が集まり始めた。この町の人達も寂れてきた小さな寺よりも隣町の大きな寺まで行くようになった。
 そしてついに、この稲荷寺は廃寺となったのだ。ちゃんとした手順を踏んで御神体も移動した。ここにはもうなにも祀られていない。
 ただ、キツネたちの思いだけはここにとどまり続けてしまったのだ。いつかまた人々が集まるにぎやかな寺になるかもしれない。それは明日かもしれない。そんな気持ちでキツネたちはとどまり続けた。
 廃寺になって、ホラースポットになってもなお……。

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