僕の父親はコックリさん
「洸平たちについてきたのはそのキツネってことか」
 それほど悪意の強くないキツネたちだったから、洸平たちは今もまだ命があるんだろう。これがもっと別のものだとしたら、命はなかったかもしれない。
「そういうことだ。キツネたちはただ、この寺を建て直したいと思っていた。そんなときに肝試しにくる若者に出会って、利用できると思ったんだろうな。とにかく人がきてくれれば元通りになれる。肝試しをしている若者にとりついて、同じような人を呼び寄せようとしたんだ」
 人が来れば寺は元通りになる。決してそんなことにはならないのに、必死に行動したキツネたちの気持ちが痛かった。
「それで、おやじはなんでここに?」
< 305 / 352 >

この作品をシェア

pagetop