僕の父親はコックリさん
「悪いけれど、彼は返してもらわないといけないんだ」
 黒羽がキツネたちに声をかける。しかしキツネたちは鋭い視線を向けるばかりで返事をしない。そもそも言葉は通じているんだろうか。
 そのとき、一番前にいた一匹の狐が大きくジャンプして黒羽の腕に噛み付いた。牙が深く食い込んで離れない。
「黒羽さん!」
「こっちは大丈夫です。妖くん、早く志門くんを解放してあげてください」
痛みに顔をしかめながらも必死でキツネを食い止めてくれている。妖はすぐに父親へと向き直る。
 けれどそれを邪魔するように今度は二匹のキツネが妖に飛びかかる。
「くそっ!」
< 313 / 352 >

この作品をシェア

pagetop