僕の父親はコックリさん
 それはハッキリと意思を持った言葉だった。誰もが香の言葉にキョトンとした表情を浮かべる。そして同時に香はあの大惨事を目の当たりにしてないのだと思い至った。
 あれだけ倒壊した家屋の中にいて、まだ生きているのは思えない。
 黒羽はコホンと小さく咳払いをした。
 希望を持つことはいいことだけれど、それは時として残酷でもある。一生帰ってくることのない志門を待つのは辛いことだ。そばで見ている妖がどう思うかも気になるところだ。
「おそらく、今頃救急隊員たちが探しているところだと思います。でも……」
< 337 / 352 >

この作品をシェア

pagetop