僕の父親はコックリさん
「う、うん。明日も編集作用があるからね」
 答えながらも最近あまり作業を手伝えていないことが気になった。
「そう。じゃあ、それが終わったらまたふたりで会わない?」
「も、もちろんいいよ。だけど作業が終わってからだと遅くなるから、途中で抜けるよ?」
 今までもそうしていたのだからという意味を込めて提案したのだけれど、花子はゆっくりと左右に首を振った。
「ううん。明るい時間より、暗い時間に会いたいの」
 花子の指先が克彦の指に絡みついてくる。
 全身から暑さとは別の汗が吹き出してきそうだった。
「それって……?」
 質問する克彦に花子は小さな唇を上げてクスッと笑うと、席を立った。
< 44 / 352 >

この作品をシェア

pagetop