僕の父親はコックリさん
 正雄が後ろから肩を叩いてそう声をかけても克彦は振り向きもしない。懸命に画面とにらめっこをして編集作業を続けている。そのくせほとんど作業が進んでいないのは同じテロップを書いては消して、書いては消してを繰り返しているからだ。
「おい、克彦!」
 洸平が少し乱暴に克彦の腕を掴んで無理やり動作を止めると、ようやく克彦が視線をこちらへ向けた。
 その目は真っ赤に充血していて涙が滲んでいる。明らかに作業のしすぎだ。
 自分と仲良くしてくれていた花子が本物の花子ではなく、化けキツネだったとわかった三日前から毎日この調子なのだ。
「ショックなのはわかるけど、いい加減目を覚ませよ」
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