僕の父親はコックリさん
 洸平の厳しい言葉にも反応を見せずにうつろに宙を見つめている。
 克彦からすれば大学に入学してからずっと好きだった花子とようやく距離が縮まったと思っていたところだったのだ。心に深く傷が残ったことは言うまでもない。だが、見方を変えてみれば元の関係に戻っただけで、別に嫌われたわけではないのだ。
「相手がキツネでもよかった」
 不意に漏らした言葉に洸平と正雄は目を見開く。
 本人に自覚はないのかもしれないけれど、あの化けキツネに危うく命を持っていかれてしまうところだったのだ。
「何言ってんだよ。キツネ相手に欲情するのか?」
 正雄が冗談めかして言うけれど、克彦は至って真剣だ。
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