元カレは、今も私をミケと呼ぶ
――翌朝。
目が覚めてもなかなか起き上がることができなかった。
ずっと、ミケのことを考えていた。
彼女は大学では高嶺の花と言われてて。
俺と付き合ってくれて、あの頃は浮かれてた。
いつも静かなのに。
それでも俺の前では、やわらかく笑ってくれる子だった。
その笑顔を大切にしたくて。
触れると崩れそうで、正直勇気が出なかった。
俺の独りよがりな考え方が、傷つけていたなんて。
思ってもいなかった。
突然。
手の中で、スマホが短く震えた。
画面に表示された名前に、二度見どころか三度見する。
『ミケ』
思わず飛び起きた。
心臓が跳ねるのを抑えながらメッセージを開く。
『今度、ゆっくり会えないかな』
数秒、思考が停止した。
転がったビール缶に囲まれてヤマトがまだ眠り込んでいるのを確認すると、
思い切り拳を握りしめる。
よし。会える。またミケに会える。
指が震えるのを堪えながら、即座に返信を打ち込んだ。
『今、ちょうど同じこと送ろうとしてた。俺もミケに会いたい』
送信。よし。送ったぞ。
天を仰いで深呼吸する。
いいか俺、がっつくなよ。二年ぶりなんだから。
振られてるってことは忘れるな。
ちゃんと落ち着いて、大人の余裕を見せて、普通に話すんだ。
(帰ったら部屋の掃除をしておくか)
て、言ったそばから何考えてるんだ俺。
大切にしたかった気持ちは嘘じゃない。
でも、昔の俺、どうかしてた。
あんなに可愛い彼女がいて、何ずっと余裕ぶってたんだよ。
……。
「……やっぱり、もう待てないかもしれん」
ミケと再会したら、
俺の気持ちはもう止められなくなってしまった。
終
目が覚めてもなかなか起き上がることができなかった。
ずっと、ミケのことを考えていた。
彼女は大学では高嶺の花と言われてて。
俺と付き合ってくれて、あの頃は浮かれてた。
いつも静かなのに。
それでも俺の前では、やわらかく笑ってくれる子だった。
その笑顔を大切にしたくて。
触れると崩れそうで、正直勇気が出なかった。
俺の独りよがりな考え方が、傷つけていたなんて。
思ってもいなかった。
突然。
手の中で、スマホが短く震えた。
画面に表示された名前に、二度見どころか三度見する。
『ミケ』
思わず飛び起きた。
心臓が跳ねるのを抑えながらメッセージを開く。
『今度、ゆっくり会えないかな』
数秒、思考が停止した。
転がったビール缶に囲まれてヤマトがまだ眠り込んでいるのを確認すると、
思い切り拳を握りしめる。
よし。会える。またミケに会える。
指が震えるのを堪えながら、即座に返信を打ち込んだ。
『今、ちょうど同じこと送ろうとしてた。俺もミケに会いたい』
送信。よし。送ったぞ。
天を仰いで深呼吸する。
いいか俺、がっつくなよ。二年ぶりなんだから。
振られてるってことは忘れるな。
ちゃんと落ち着いて、大人の余裕を見せて、普通に話すんだ。
(帰ったら部屋の掃除をしておくか)
て、言ったそばから何考えてるんだ俺。
大切にしたかった気持ちは嘘じゃない。
でも、昔の俺、どうかしてた。
あんなに可愛い彼女がいて、何ずっと余裕ぶってたんだよ。
……。
「……やっぱり、もう待てないかもしれん」
ミケと再会したら、
俺の気持ちはもう止められなくなってしまった。
終

