あの日の風の、その続き〜戦う公爵令嬢と、王女が選んだ未来





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城の庭に、やわらかな陽射しが降り注いでいた。


花々が揺れ、風が静かに通り抜けていく。



「――おいで」


エリシアが呼ぶと、小道の向こうからゼンが現れる。


その腕の中には、幼い子供。


小さな手が、こちらへと伸ばされた。



「おかあさま」


その声に、エリシアは優しく微笑み、そっと抱き寄せる。


「エリシア。体調は?」


ゼンの穏やかな声。



「ええ、元気よ。ありがとう、ゼン。

それに今日は――リゼたちが来るわ」



そう言って、お腹にそっと手を添えた、そのとき。


「あ……!」


腕の中の子供が、ぱっと顔を上げる。


視線の先。


庭の入口に、二つの影。


手を繋いだリゼとクロードが、ゆっくりと歩いてくる。



風が、ふと頬を撫でた。


懐かしい気配に、エリシアは目を細める。




――あの頃と、同じ風。


駆けていく足音。


重なる笑い声。


名前を呼び合う、あどけない声。



振り返れば、そこにいる気がした。


無邪気に笑い合っていた、幼い自分たちが。



けれど――


その先に、今がある。


腕の中のぬくもり。


隣にいる人。


こちらへ歩いてくる、大切な人たち。



エリシアは、そっと目を開く。


風が、また静かに吹き抜けた。


――この先もきっと。


同じように、季節は巡っていくのだろう。






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