私は優秀なストーカーから逃げられない
影山奏 高校時代 出会い


俺が高校3年になった時、山内さんが入学してきた。

俺は、身体180センチ、120キロもあるデブだった。

おまけに目が悪く分厚いメガネ。

コンタクトは、どうも合わないのか目が痛い。

そして俺はアニメヲタクで身なりなど興味が無かったため、髪の毛はボサボサで前髪は人の目を避けるため長かった。

周りの奴らには気持ち悪がられたが、どうでも良かった。

俺には心に決めた人がいた。

魔法少女リラ。

中学1年の時に初めて出会い、そこから恋をしている。

リラたんの公式グッズは全て購入。

手先が器用な俺は、リラたんのオリジナルフィギュアを作ったり、等身大の人形を作ったり、リラたんとエッチをするために、VRを作り、それ専用の人形を作り、声も出るようにプログラミングを勉強した。

どうやら好きな物への執着がすごいと母親に連れて行かれた病院で言われた。

そんな事どうでも良い。

学校では友達も作らず、リラたんの事ばかり考えていた。


学校で俺は3年間、図書委員を務めている。

この学校の図書委員はめちゃくちゃ仕事が多く誰もやりたがらない。

俺は、学校で出来る事は、少ないので、図書委員を引き受けていたら3年間ずっと図書委員になっていた。

そして昼休み、俺は図書室に作業をしに行った。

他の奴らは先輩、後輩含めて俺に仕事をなすり付けて、いつも俺が1人、図書室にいた。


そんなある日、1人の女子が現れた。

「すみません。一年の図書委員の山内です。今日、当番で来たんですが…。」

珍しい…。あ…一年か…。

俺になすり付けるシステムを知らないだけか…。

「いいよ。俺がするから。皆、俺に任せてしまうから…君も教室戻ったら?」

「え…でも…。前の委員会で説明を受けた時、結構、仕事量が多かったですよね?」

「まぁ…。でもいつも皆、俺に預けていくし…。いいよ。」

少し困惑した表情を浮かべたその子が俺の隣に座った。

「手伝います。教えて下さい。」

こんなの初めてだ。

皆、そう言うと「お願いします。」って出てくのに…。

俺は、仕事を教えた。

メモを取りながら、真剣に聞いている。

そしてあっという間に昼休みが終わってチャイムが鳴った。

「ありがとうございました。次からやってみます。」

ニコッと微笑んで、山内さんは、図書室を出て行った。

どうせ社交辞令で来ないんだろ?

他の一年は次の当番から全く来なくなった。

でも山内さんだけは毎回来た。


今日は、山内さんと一緒…。

俺は山内さんの事を意識するようになっていた。

「お疲れ様です。あ!葉山先輩、早いですね。」

俺は、両親の離婚が大学生の終わり頃だったので、その時の名前は葉山だった。

「お疲れ様。や、や、山内さんも。きょ、今日はここからお願いしてもいい?」

「はい!」

黙々と作業をしていても、話をしなくても、この雰囲気が俺にはとても甘く感じた。

時には、少し話したりもした。

今日は、作業があまり無かった。

山内さんと話す時間が欲しくて前日までに作業を終わらして2人でやる分だけ残しておいた。

「ちょっと宿題してもいいですか?」

「うん。いいよ。」

山内さんと話さないのは、少し寂しかったけど彼女の顔を本を読むフリをして眺めた。

可愛い…。

ずっと眺めていると俺の視線に気付き顔を上げた。

ヤバっ。

すると彼女はニコッと微笑んだ。

ギュッと心臓を鷲掴みされたように胸が痛い。



時が止まった。



「あの…。ちょっと聞いても良いですか?コレって合ってます?」

ノートを見せられた。

俺は、ハッキリいって勉強なんか一つもしてこなかった。

教えられたらもっと話せるかな?

俺は猛勉強した。

彼女の事が気になり、発信機を作り、盗聴器を作り、隠しカメラを作った。

盗聴器と発信機は彼女の鞄に隠しカメラは更衣室とプールの更衣室、トイレに付けた。

ただ他の女には全く興味無い。

発信機を彼女の制服に付けれる物を作ろう…。

軽くて薄くて、もちろん気付かれない物…。

隠しカメラも見つからない物を開発した。

スマホに連携できるようにして…。

出来た!

もちろん勉強も頑張った。

昼休み…誰も来ない図書室で、早く作業を終わらせて、山内さんに付けた発信機が更衣室に入った時間を調べて更衣室の動画を見る。

あっ。可愛い…。

こんな…下着…着けてるんだ…。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、次は…トイレ…。」


先ほどのようにトイレの画像も見る。

「堪らない…。可愛い…っ。触ってみたい…っ。ヤバっ。デカくなっちゃった。君はどんな男が好きなんだろう…。」

隠しカメラの画像に映る彼女の身体を撫でる。

俺は心理テストに似せたゲームアプリを作った。

そして、図書室で彼女にしてもらう。

「優しい人…。頼り甲斐のある人…。趣味が合う人…。尊敬できる人か…。」

大体それに当てはまるんじゃ…。

失敗だ…。

ちょっとこのアプリ…もうちょっと詰めないとだな…。


盗聴器を使うと彼女が友達と恋愛トークをしている。

『えっ?タイプ?今の推しは、早宮レイ君!』

『それアニメじゃん!』

『カッコよくない?』

『確かに!じゃあ、3次元だったら?』

『んー優しくて…、責任感あって、私を大事にしてくれる人!』

それ俺だよね?

『外見は?』

『んー早宮君みたいな人!』

早宮君?調べるとアニメのよくあるイケメン枠…。

『イケメン好き出たよ!このクラスでは?』

コレは必見!

『えー?んーいない…。』

『じゃあ、この学校だと?』

『んー葉山先輩?』

ドキッとした。

『葉山先輩?そんな人いたっけ?って、あの図書室のヌシ!?無いわー。キモいデブメガネじゃん!』

『そうなんだけど…。痩せるとカッコいいと思うよ?あのメガネでわかりにくいけど目とか綺麗だよ?』

俺の事…こんなにも…。

ドキドキが止まらないよ…っ。

俺は彼女に夢中になった。

家の場所を特定して、家族構成調べて、毎日彼女の声を聞き、映像で彼女を見つめた。

そして、彼女の身長や体重、スリーサイズも調べた。


夏になってプールの更衣室で裸の彼女を見た時は、週末ずっとそれを見ながら自分のモノを扱いた。

そして画像から割り出し等身大の人形を作り、何度も彼女(の人形)とセックスした。

リラたん…ごめん。

俺…好きな子出来た。

俺、この子と結婚する。

運命の子なんだ…。

今までありがとう…。

俺は、彼女の為に、高校3年分の全ての教科を猛勉強をして、わかりやすくテキストに纏め彼女に初めてのプレゼントをした。

「えっ!良いんですか!?葉山先輩、受験あるのに…。」

「良いんだよ。俺も勉強になったし、君のお陰で俺の点数も上がったんだ。今日も勉強しよ?」

それは本当で、下から数えた方が早かったのに学年トップ10に入るようになっていた。

横に並んでわざと腕を付けてみたり、後ろから抱きしめるように教えたり、彼女の匂いを堪能した。

パッと彼女が上を見上げた。

上目遣い…可愛い…。

「あっ…っ。えっと。ど、どどどうしたの?」

「葉山先輩とこうして図書室で会えるのもあと少しですね…。しかも今日、委員会最後だし…。今まで勉強教えてもらってありがとうございました。受験頑張ってくださいね。あの…これ良かったら。」

そう言って彼女は手作りのお守りをくれた。

コレは部屋で針を使ってるのかなと声だけで判断してた物だ…。

「い…っ、いいの?」

「はい。頑張ってください!」

2年留年して同じ学年になろうと思った時もあったけど、こんなの貰ったら落ちれないよ…。

てか落ちない…。

「ありがとう…。頑張る!俺!山内さんに相応しい男になる!」

「えっ?それってどういう意味…?」

「俺…っ。俺…っ。」

キーンコーンカーンコーン。

「あ!チャイム!次、移動だった!先輩、話…すみません。何ですか?」

「いい!何でもない!早く行こう!俺も移動!」

バタバタと図書室を出た。



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