煉瓦坂の少し奇妙なX'mas
クリスマス、ねぇ。
俺にとって忘年会から成人式までの怒涛の一か月の半分くらいに位置していて、なんだかものすごく微妙な存在だ。忙しいトップ5の日には入るけど、まぁ、それだけだ。比べれば派手なヘアメイクのオファーは比較多いかもしれないってくらい。
さて、どうしようかな。今日はそんな地獄のシーズンに突入する前の小さな息抜きで、最低限以外の仕事は免除にしてもらってる。だから手持無沙汰だ。見上げた空は妙な色合いに薄暗く、マーブルな感じに紫と薄青が混ざっていて少しだけ不吉に見えた。だからなのか足は人の多い駅前に向く。辻切中央駅の前には大きなツリーにクレーン車で電飾がかけられている。この時期はいつのまにかクリスマスがしみ込んできて、俺が仕事に明け暮れている間に姿形もなくなってしまう。
そう考えるとなんだか損してる気分だな。今年は何かパーティでもしてみようか。閉店後に? うへぇ。みんなも疲れ切ってるからよくないな。
「あ、要ちゃん」
「げ」
見知った顔に思わず声をかけると、迷惑そうに眉を顰めて俺を見上げた。要ちゃんは小さいころから知ってる今は女子高生で、よくわかんないことに巻き込んだり巻き込まれたりする奇妙な仲だ。
「今帰り?」
「そうですよ。何か用ですか」
やけに警戒する様子にちょっと戸惑う。
「冷たいなぁ。たまたま会っただけじゃん。あ、そうだ。ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
そう呟くと、すごい目で睨まれた。なんでだよ、と思って駅前だったことを思い出す。ナンパ感があるな、これ。制服女子にチャラ男。金髪なマンバンで、赤いシャツに黒のデニム。美容師の仕事上、格好も商売のうちだから仕方がない。かっこよくないとさ。
「ごめんって。うちの店の従業員にクリスマスの打ち上げっていうか、なんかクリスマスっぽいことをやりたいんだけどさ。いい案ない?」
「美容院の、ですか?」
「そうそう。小さなツリーは入れるんだけどさ、クリスマスって掻き入れ時じゃん。だからもう俺ら、クリスマス感全くなく仕事してんの。でもせっかくだからクリスマス的な何かしたいと思ってさ。でもみんなの負担がないやつ前提。えーと……ここじゃなんだからお茶する?」
「公理さん、それガチナンパ。うちの学校、不純異性交遊禁止」
「……だよね。そんなつもりは全然ないんだけどさ、マジで」
けど俺もそろそろ周りの耳目を集めてることに気が付いていた。居づれぇ。
俺にとって忘年会から成人式までの怒涛の一か月の半分くらいに位置していて、なんだかものすごく微妙な存在だ。忙しいトップ5の日には入るけど、まぁ、それだけだ。比べれば派手なヘアメイクのオファーは比較多いかもしれないってくらい。
さて、どうしようかな。今日はそんな地獄のシーズンに突入する前の小さな息抜きで、最低限以外の仕事は免除にしてもらってる。だから手持無沙汰だ。見上げた空は妙な色合いに薄暗く、マーブルな感じに紫と薄青が混ざっていて少しだけ不吉に見えた。だからなのか足は人の多い駅前に向く。辻切中央駅の前には大きなツリーにクレーン車で電飾がかけられている。この時期はいつのまにかクリスマスがしみ込んできて、俺が仕事に明け暮れている間に姿形もなくなってしまう。
そう考えるとなんだか損してる気分だな。今年は何かパーティでもしてみようか。閉店後に? うへぇ。みんなも疲れ切ってるからよくないな。
「あ、要ちゃん」
「げ」
見知った顔に思わず声をかけると、迷惑そうに眉を顰めて俺を見上げた。要ちゃんは小さいころから知ってる今は女子高生で、よくわかんないことに巻き込んだり巻き込まれたりする奇妙な仲だ。
「今帰り?」
「そうですよ。何か用ですか」
やけに警戒する様子にちょっと戸惑う。
「冷たいなぁ。たまたま会っただけじゃん。あ、そうだ。ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
そう呟くと、すごい目で睨まれた。なんでだよ、と思って駅前だったことを思い出す。ナンパ感があるな、これ。制服女子にチャラ男。金髪なマンバンで、赤いシャツに黒のデニム。美容師の仕事上、格好も商売のうちだから仕方がない。かっこよくないとさ。
「ごめんって。うちの店の従業員にクリスマスの打ち上げっていうか、なんかクリスマスっぽいことをやりたいんだけどさ。いい案ない?」
「美容院の、ですか?」
「そうそう。小さなツリーは入れるんだけどさ、クリスマスって掻き入れ時じゃん。だからもう俺ら、クリスマス感全くなく仕事してんの。でもせっかくだからクリスマス的な何かしたいと思ってさ。でもみんなの負担がないやつ前提。えーと……ここじゃなんだからお茶する?」
「公理さん、それガチナンパ。うちの学校、不純異性交遊禁止」
「……だよね。そんなつもりは全然ないんだけどさ、マジで」
けど俺もそろそろ周りの耳目を集めてることに気が付いていた。居づれぇ。