時田君と私の秘密の契約〜毎週金曜日の秘め事〜
「僕が今回提案するのは、低年齢層でも高年齢層でも使える機能性の優れたシャープペンシルです。このシャープペンシルの特徴は持ち手をシャープに握りやすいデザインにした事と、芯を出し入れし易いクリアな構造を取り入れた所です…。」
時田くんのプレゼンは相変わらず高評価で社内からの人気も高かった。結局今回のプレゼンは社長の「よし、今回は時田くんの案で行こう」と言う一声で時田くんの案が採用された。
(……やっぱり時田くんには敵わないや……)
またしても負けてしまったことに悔しさが込み上げてきた。私は人知れずこっそり屋上で泣いていた。いつも自分の案が通らず他者に決まると、悔しくて屋上で1人泣くのが私の癖だった…。
「向野さん。」
1人屋上で泣いている私に思いがけない人物が後ろから声をかけた。後ろを振り返ると、そこに居たのは加原くんだった。
「加原くん。何で私がここに居ることが分かったの⁇」
不思議そうに訊ねる私の目は先程まで泣いていたせいで目が赤く腫れていた。そんな顔を見られたくなくて、私は必死で涙を拭って腫れた目を誤魔化した。
「向野さんがいつもプレゼンに負けると絶対に此処に来る事いつも見てたんで知ってました。」
加原くんは私に買ってきてくれた缶コーヒーを差し出して人知れず泣いていた私を慰めてくれた。加原くんの優しさが身に染みて私はまた涙が出てきてしまった。
「向野さんの頑張りは僕がいつも近くて見てましたから…。もう泣かないでください。」
加原くんに頭をポンポン撫でられる私は、まるでペットに慰められる飼い主のようだと笑ってしまった。
「加原くん有難う。何か自分の家のペットに慰められてるみたい。」
さっきまで泣いていたのに、もう笑えている自分がいた。加原くんといると私はいつも笑顔になってしまう。
「やっぱりペットですか…。でも向野さんが笑ってくれて良かったです。」
加原くんと私はそれから少し笑いながら喋った後、仕事に戻った。加原くんは本当にいい子だと思う。加原くんといると笑顔になれるのに、時田くんの前では素直になれず、可愛くなれない。それが何故なのか、私はもう分かっていた。
私は時田くんに特別な感情を抱いてしまっている。もう時田くんの沼にはまってしまって、抜け出せない自分がいることを自分自身でも認めていた。
私は、時田くんが好き…。その感情を素直に伝えてしまったら、もう今まで通り普通の同僚としてライバルでいる事もできなくなりそうで…。素直にその言葉を伝える事が出来なくなっていた…。
時田くんのプレゼンは相変わらず高評価で社内からの人気も高かった。結局今回のプレゼンは社長の「よし、今回は時田くんの案で行こう」と言う一声で時田くんの案が採用された。
(……やっぱり時田くんには敵わないや……)
またしても負けてしまったことに悔しさが込み上げてきた。私は人知れずこっそり屋上で泣いていた。いつも自分の案が通らず他者に決まると、悔しくて屋上で1人泣くのが私の癖だった…。
「向野さん。」
1人屋上で泣いている私に思いがけない人物が後ろから声をかけた。後ろを振り返ると、そこに居たのは加原くんだった。
「加原くん。何で私がここに居ることが分かったの⁇」
不思議そうに訊ねる私の目は先程まで泣いていたせいで目が赤く腫れていた。そんな顔を見られたくなくて、私は必死で涙を拭って腫れた目を誤魔化した。
「向野さんがいつもプレゼンに負けると絶対に此処に来る事いつも見てたんで知ってました。」
加原くんは私に買ってきてくれた缶コーヒーを差し出して人知れず泣いていた私を慰めてくれた。加原くんの優しさが身に染みて私はまた涙が出てきてしまった。
「向野さんの頑張りは僕がいつも近くて見てましたから…。もう泣かないでください。」
加原くんに頭をポンポン撫でられる私は、まるでペットに慰められる飼い主のようだと笑ってしまった。
「加原くん有難う。何か自分の家のペットに慰められてるみたい。」
さっきまで泣いていたのに、もう笑えている自分がいた。加原くんといると私はいつも笑顔になってしまう。
「やっぱりペットですか…。でも向野さんが笑ってくれて良かったです。」
加原くんと私はそれから少し笑いながら喋った後、仕事に戻った。加原くんは本当にいい子だと思う。加原くんといると笑顔になれるのに、時田くんの前では素直になれず、可愛くなれない。それが何故なのか、私はもう分かっていた。
私は時田くんに特別な感情を抱いてしまっている。もう時田くんの沼にはまってしまって、抜け出せない自分がいることを自分自身でも認めていた。
私は、時田くんが好き…。その感情を素直に伝えてしまったら、もう今まで通り普通の同僚としてライバルでいる事もできなくなりそうで…。素直にその言葉を伝える事が出来なくなっていた…。