傲慢すぎる警視に衛られて愛される
「……」


逢坂は愛と視線を合わせなかった。


(意地悪な質問だったかな。でも知りたい)

「聞くな」


逢坂は顔をそむけた。


「はい、お待ち」


店主がラーメンを2つ並べて置いた。

逢坂のどんぶりにはメンマがいつもより山盛りになっている。


「傲慢なキミにもサービスしてあげるよ」

「あ?」


店主がにかっと笑った。

逢坂は箸を取った。


「こういう時はありがとうございますですよ」


逢坂がようやく愛を見る。


「はい、どうぞ」


逢坂は待っている店主に向かって「ありがとうございます」と小声で言った。


「どういたしまして」

「よくできました」


愛を睨んで逢坂が舌打ちする。

続いて愛の前にもラーメンが置かれた。


「ん~おいしい」

「そうだろ」


逢坂が少し笑って自慢気に言う。


「逢坂さん、ここ自慢なんですね」

「別に」


また真顔になる。


「縄張りって言ってましたもんね」

「黙って食え」


愛はくすっと笑いラーメンをすする。

愛が幸せそうに食べる横顔を逢坂がちらっと見た。

その視線に愛が気付きそうになると、すぐに視線をラーメンに戻す。

しばらく2人は並んで黙って食べた。

川の音と麺をすする音だけが続く。


「逢坂さん」

「なんだ」

「今日、ありがとうございます」

「何が」

「わからないけど、ありがとうございます」


店主は相変わらず、にやにやしながら2人を見ていた。
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