傲慢すぎる警視に衛られて愛される
しばらくするとガラスが割れるすさまじい音がした。


「え、あの音は」


愛が窓を覗き込む。


「飯田さん、ここを動かないでください」

「でも」

「大丈夫です。ここにいてください」


愛は車を降りた。

マンションのエントランスに向かって走る。

階段を駆け上がって二階の廊下に出ると、端の部屋のドアが開いていた。

部屋の中に飛び込んだ瞬間、視界に逢坂が入った。

壁に手をついて、身体を支えている。


「逢坂さん!」


駆け寄ると、逢坂が腹部を押さえていた。

部屋の中は荒れていた。テーブルが倒れ、割れたガラスが床に散らばっている。

近くに包丁を持った三浦が放心状態で立っている。


「逮捕しろ」


愛はすぐさま三浦を取り押さえて手錠をかけた。

三浦はすんなりと捕まった。


「お、俺、刺すつもりは」


放心状態でボソボソ言っている。

愛は逢坂に向き直った。

逢坂は床に座り込んだ。


「救急車を」

「いらない」

「でも」

「かすり傷だ」
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