モネのバースデー
モネが小さな階段教室に入って行くと、窓際の自分の席からカナトが片手をあげた。
「おはよう」
「おはよう、モネ。」
カナトが何か話し出す前に、廊下側の席からシロウがモネを呼んだ。
「モネ、おはよう」
「おはよう、シロウ」
「昨夜は遅くまで起きてたの?。目の下にクマが出来てるよ。生活リズム、整えなきゃ駄目でしょう。」
「ほんと。モネ、パンダみたいになってるぞ。」
「嘘」
「パンダは行き過ぎだけど、クマ、しっかり出来てるよ。眠らなかったの?」
「何してたんだよ?」
カナトがモネを見下ろしてしかめっ面をしたので、モネは困り笑いをしながら、本を読んでた、と言った。
「モネは読書が好きっていうのは知ってたけど、眠らずに読むなんて」
シロウが言った。
「ちゃんと食べて。ちゃんと寝て。そういうの、魔法使いの基本だろ。基礎がそれじゃあ、先が思いやられる。」
「だって」
「夜眠らなかったせいで、授業中眠くならなきゃ良いけど。先生たち笑うよ。」
「ただでさえドベなのに、授業に本当について行けなくなったらどうするんだよ。ったくもう。」
「どうにかするよ。」
「笑いごとじゃないからな。お前がこの間授業の時当てられて唱えた意味不明な呪文、まだ覚えてる。効果は黒い煙で、教室中に充満した煙を外に出さなきゃならなかった。ほんと。しっかりしろよ。」
「あ、あの時……」
「お前は人より魔力が強いから、失敗した呪文でも必ず何か効果が出ちゃうんだ。まったく。初歩の呪文なんかで間違えて。」
「あの時の事はそんなに気にする事ないと思うけど、僕が言いたいのは、寝不足。クマは危険信号だよ。睡眠取らなきゃ。」
「ほんと。家に帰ってすぐ眠れよ。か、これからすぐ医務室行って寝て来い。今日は読書はなし。良いね?。」
「昨夜だけだよ……」
モネが言い訳を考えているうちにチャイムが鳴って、カナトとシロウは席へ戻っていった。