モネのバースデー





「杖をなくしただあ!?」


 休み時間、教室の窓際で打ち明けたモネにシロウは目を見開き、カナトは開口一番声を荒げた。


「馬鹿じゃねーの、杖なしでどうすんだよ。杖のない魔法使いなんて、一般人とまるきし同じじゃねーか!」

「家にはないの?」


 シロウが冷静な声で聞いた。



「まだ分かんない」

「杖無くすなんてドベもドベ、最ドベだ。ほんっと頭痛い。もうお前には何も期待できねー。」

「一緒に探してあげるよ。多分家に忘れて来ただけだろうし。滅多になくなるもんじゃないしね。」

「言っとくけど、杖は、他の物とは違うんだよ。分かんねーの?。魔具なくす魔法使いなんて最低だ。聞いたことねーよ。」

「僕もそう思う。でも、杖のない間に、モネが気づかずにモンスターが出る森とかに行かなくて良かったよ。」

「まあそれはそうだけど。信じらんない。魔法使いの癖に杖なくす、そんな馬鹿が居てそれも僕の幼なじみだなんて……。人間疑う。お前どうかしてるよ。」

「多分家の引き出しに置いてきたんだ。」



 モネが困った顔で言った。
 


「だよな。なくなる訳ないもんな。」

「だよ。普段使うものだから、ふいになくなることなんてありえない。引き出しだと思うんだね。」



 カナトとシロウは、それからしばらくモネを慰めた。




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