無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
「気分を害されたのなら失礼しました。レイさんは、とても綺麗な銀髪だなと思いまして。染めているのですか?」
「染めてない」

 レイはぶっきらぼうに答える。
 リディアはレイの髪を見る。カーティスの言う通り、今のレイの髪は輝かんばかりの美しい銀髪だ。リディアが彼を買ったときは間違いなく漆黒だったのに、日を追うごとに色が抜けて最終的にこの色になった。

 リディアはこれまで、こんなきれいな銀髪の人をレイ以外に見たことがない。

「レイさんは、ご両親のことを覚えていらっしゃいますか?」
「両親なんていない」

 レイは不機嫌を露わにする。

「レ、レイは物心ついたころから悪い人のフォシニだったんです。だから、ご両親の記憶はないみたいで」

 リディアは慌てて補足する。レイの生い立ちを考えると今の質問を不快に感じるのは当然だと思うが、カーティスの機嫌を損ねるのも避けたい。

「そうなのですか? では、幼い頃の記憶は全く?」

 カーティスは驚いたように聞き返す。そして、眉間に深い皴を寄せた。

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