無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
「レイ? だって、王宮に行ったらレイは最悪、反逆罪で罰せられちゃうかもしれないんだよ?」
「でも、このまま俺といると、リディアまで犯罪者扱いされる」

 レイの言葉に、リディアはひゅっと息を呑む。
 レイの言う通りだった。このままレイと逃亡すれば、遅かれ早かれリディアは犯人隠避の罪で追われる身となるだろう。シリルが事実関係を説明して誤解を解くにしても、相応の時間が必要なはずだ。

「そう……だよ……ね」

 頭ではわかっている。わかっているのだけれど、すぐにそうしようとは言えなかった。

(今レイが出頭したら……私だけ普段の生活に戻ってのうのうと暮らすの? レイを犠牲にして?)

 リディアはぎゅっとこぶしを握り、小さく頭を振る。

「ダメよ。そんなことできない」
「リディア。すぐに戻ってくるから」
「ダメ。絶対にダメ。だって、レイは何も悪いことをしていないもの。こんなの、おかしいわ」

 リディアは決意を込めた目で、レイを見上げる。

「レイのことは、私が守ってあげる」
「……リディアが俺を?」
「ええ」
「無茶だよ、こんな細い腕で」
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