無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
「危険でも行くよ。リディアが悲しんでいるのを見るほうがよっぽど嫌だ」
「レイ……」

 リディアは言葉に詰まる。
 本音では、行ってほしくない。けれど、今はそれしかイマンを助ける方法がないことはリディアにもわかっていた。

 リディアはきゅっと唇を引き結ぶ。

「私も行く」
「え?」
「私も、レイと一緒に王宮に行くわ。だって、手紙の指示は私がレイを連れて行くことだもの」
「危険だよ。前のご主人様は……とても残忍なんだ。リディアのことも、平気で傷つける」
「でも、それってつまり、レイのことも傷つけるってことよね? なおさら、一緒に行くわ」

 残忍だと聞いて、むしろ決意が固まった。
 そんな危険人物のところに、絶対にレイだけを送り込んだりしない。

「だって、レイのことは私が守るって決めたんだもの」

 強い決心を胸に、レイを見上げる。レイは困ったように眉尻を下げる。

「……わかった。だけどひとつ、条件がある」
「条件? 何?」
「リディアが俺と、フォシニの契約を結ぶこと」

 リディアは目を見開く。

「……どうして?」
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